イベントQ&A #2: 日本と外国

イベント参加者の質問に、ゲスト、ホスト、参加者が答えるシリーズ第2弾。
英語を使って外国で暮らした経験のあるゲストたちの目に、「日本」や「英語を使うこと」はどう映っているんでしょう?

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★=ゲスト、ホストの回答 ☆=参加者の回答

1. 海外にまたは日本にいて、良いこと、悪いことは何ですか?日本より海外の方がいいなぁと思うことは何ですか?
★海外(アメリカニューヨークとの比較)。無限にありますが、東京のほうがニューヨークより良いところ(綺麗な住環境、正確な公共交通機関、美味しいご飯、お風呂文化、快適なトイレ、安定的なインフラ(水道管破裂などが滅多にない)、治安(電車で携帯片手に寝落ちしても大丈夫、お財布おとしても中身まで戻って来る可能性がある)。ニューヨークのほうが東京より良いところ(街全体のエネルギー、多様性を許容するところ、日本人の面白いヒトに出会う確率の高さ、英語を継続的に使う環境、日本人に限らずヒトの層の豊かさ、日本・東京で生まれ育ったことをより広い基準で客観視できること)(Tomoko)
★海外にいていいと思うのは、自分の意見をはっきり言うこと(自分の属性や年齢に関係なく)が認められていること。ラフなスタイルで出かけても罪悪感がないところ。笑
日本にいていいと思うのは、サービスが丁寧なところ。物事がオンタイムで進むこと。女一人でも好きな時間に出かけられること。
★自分が割と大雑把な性格だからか、アメリカのほうが居心地はいい気がします。良くも悪くも、アメリカではいろんなことが日本より適当です。それが嫌な人は日本人にもアメリカ人にも沢山いると思います。ただその反面、自分に求められる完璧さの度合いも日本のほうが高いのではないかと思っています。自分の不揃いな個性のせいで肩身が狭く感じる、孤独に感じることはアメリカのほうがまだ少ないです。アメリカと一口にいっても場所によって全然ちがうので、個人の経験は全く異なると思いますが。
★博士課程(文学部系)所属で日本にいると色々と針のむしろなのですが、海外(アメリカ)だとちゃんとしたことをやっている、という人として見てもらえること。あとはいい意味でも悪い意味でも集団や社会通念みたいなものへの依存度が低いことでしょうか。個人個人が自由(好き勝手ともいう)に自分の人生を送っているので、あ、自分のやりたいようにやっていいのだ、という気にさせられます。(礒谷有亮)
★海外(アメリカ)の方が、人目を気にせず自分の意見をはっきりと言いやすいところが良いなと思います。(梅田 麻友子)
★アメリカは広いこと、車の生活がしやすいところや、何か物事を始めるときに話が早いところがいいなと思います。日本の良いところは食べ物がおいしいこと。(神谷えみ)
★海外の方が良いこと:人のことにそれほど興味が行かないので、自分が自分でいられる(空気を読む必要がない)、日本のほうが良いこと:言わなくても共有できる部分が多い
★海外にいると細かいこだわりがなくなります。細かいことに気をとらわれず、本質を考える時間が増えます。
★無理を強いられないこと 日本のように温泉がないことは残念だが、夏は過ごしやすいし親戚をはじめ社会的な期待・役割が日本のほうがやたらと自由がきかない。自己責任より和をもって尊しもいいが行き過ぎはナンセンス。(平松里英)
☆アメリカはあまり縛られていない感じがします。そのぶん責任は出てきますが、自分次第で可能性が広がるイメージです。日本はきちんとしてる。その安心感もあれば、もう少し柔軟になってほしいと感じることもあります。
☆カナダにいていいなぁと思うところ:基本的におおらか。失敗を責めない。失敗してもチャンスを与えてくれる。融通が効く。褒め上手。銀行や役所、病院の窓口で世間話で盛り上がるところ。(水本 円)

2. 自分の住んでいる国・都市・町の好きなところはどこですか?
★エネルギー、ヒト・機会・学びへのアクセス、気楽さ(Tomoko)
★日本人の少ない国ですが、いい意味で外国人扱いされないこと。
知らない人同士でも気軽に会話が始まること。
★すでに帰国しましたが、ニューヨークは美術館、アートシーンが充実していてとても良かったです。すぐ大きな公園に行けるのも大きな魅力でした。あとは言語、民族、文化がごった煮の街なのでそれを観察できるところ。(礒谷有亮)
★アメリカNJ州: 自然が多く、日本食含むアジア系食材へのアクセスも良いので生活がしやすい。かつNYにも近いので、都市部ならではのエンターテイメントも存分に楽しめる。(梅田 麻友子)
★景色が美しいところ。いまは新緑がまぶしいです。冬が長いところも、一般的には嫌われがちですが、私は好きです。(神谷えみ)
★自分のやっていることに自信を持っている人が多いところでしょうか。
★シリコンバレーはエンジニアに優しいです。あと自然が多いです。
★涼しく過ごしやすい。緑が比較的多い。(平松里英)
☆都会すぎず、田舎過ぎず
☆カナダのカルガリーに住んで1年ちょっと。Big city Small town attitudes と言われている通り、市の人口が150万人を超えるの割には都会特有のギスギスしたところがなく、フレンドリー。長い冬のせいか、助け合いの精神があります。(水本 円)
3. 長年海外に暮らす中で、日本人らしさや日本文化について意識して生活の中で維持したり、コミュニティにおいて積極的に広めたりしていますか?
★そうしたほうがいいとは思っているのですが、楽なほうに流されてしまって日本文化とのふれ合いは薄くなってしまいます。もともとの教育が一般的な日本の学校でなかった為、日本人にとって常識的な知識もいろいろ欠けています。そこはできるだけ補いたいと思っています。ただ、私は日本人であることに違いはないのだから、どういう振る舞いや考え方であっても「日本人らしい」のではないか、自分のどこが「日本人らしく」ないというのだ、とも思います。日本人だからこうでなければいけない、という型にはまりたいとはあまり思いません。そういう考え方こそアメリカ人らしいのかもしれませんが・・・
★むしろ長くなればなるほど自分のベースに日本があることを意識しました。「らしさ」をあえて出すといったことはありませんでしたが、生活の中では自然と日本的なものが出ていたのではないかと思います。長くなると住んでいる地域で身についてくる要素と元々の自分のバックグラウンドに依存する要素が無理のない形で混ざってくるのだと思います。(礒谷有亮)
★海外での生活が長くなるにつれ、意識的に日本文化を広めるようなことはしなくなってしまいました。。日本の会社で駐在していたので、よく日本人の特徴と言われるような「仕事はやり切る」「ハードワークは厭わない」「細かい気づかいを忘れない」という姿勢を保つようにはしていましたが、それも日本人としてのアイデンティティを意識しながらやっていたかと言うと(?)です。(梅田 麻友子)
★はじめてアメリカに住んだときは日本語教師で1年間の滞在だったので、積極的に広めざるを得ない状況でした。今では「積極的に広める」ということはありませんが、長く離れているからこそ、日本人らしさを積極的に学んだり、自分を通じて日本のことを知ってもらう喜びを感じることが多くなっています。(神谷えみ)
★積極的に広めることはないですが、日本人らしさは折に触れて話題になります。そういうときは、自分がその場で日本人を代表していることを意識して話をしたりします。ただ、そこまで気負ってあえて自分が知っている以上に深く調べたりしてはいないです。
★日本人らしさといえば、お正月はやはり日本食が食べたくなりお雑煮を作ったりしています。また現地で日本語教師もしているので、日本文化について少し紹介したりすることもあります。
★意識的に、積極的に広めているというよりも、きかれた時にちゃんと客観的に、要は日本の当たり前は決して海外では当たり前ではないのでその辺りの補足説明できるようにするためには普段から客観的に自国の文化を見つめられていなければならない.(平松里英)
☆私の地域では、日本人にいいイメージ(丁寧、親切、真面目など)を持っているアメリカ人が多くて、そのステレオタイプにとても助けられました。その日本人の良い印象というのをそのまま引き継いでいけたらとは思っています。
☆子供の頃から海外生活が長く、日本文化に詳しくないので何もしていません。(水本 円)
4. みなさんから見た「日本」や「日本人」って、どんなイメージですか?
★ちっちゃくて、かわいい。(神谷えみ)
★すでに日本に帰国してしばらくたっているのでイメージというより今肌感覚として感じていることになりますが、色々な意味で閉じてしまっている(国としても個人としても)のかなと最近よく思います。(礒谷有亮)
★中にいると居心地がいいけど、周りのことをちょっと気にし過ぎかもしれないですね。世界では、そんなに注目されてないし、それで良いんだと思います。
★優等生が多い気がします…?
★真面目、自分が置かれている環境・立場を考慮して行動する。
★まじめ。良くも悪くも。遠慮場がりしているので海外では損をしてばかり。また、基本的に外交が下手。怒りに任せて文句を言うのではなくて、落ち着いて成熟したかたちで交渉をしたり意見を伝えたりすることも下手。慣れていないから。日本の風土の中に存在していない。なぜか意味のある議論や話し合いを嫌う傾向があるため、議論を成熟させることが不可能な人が多い。批判を個人的な攻撃と捉えることも含めて、そういう意味でコミュニケーションに関して経験も認識も平均的に低め。頑張る人をいびり倒す悪い面があるのは悪いクセ。(平松里英)
☆いい意味でもそうでない意味でも、周りの目、世間体を気にしている人が外国人よりも多い気がします
5. 言語、文化背景の違いも含めて、なかなか相手に自分の伝えたいことが伝わらないとき、どのように解決していますか?諦めますか?それとも何とかして何かしらの工夫を凝らして相手に伝えますか?
★いろいろな手段をつかって伝えるようにする。言葉でいうだけでなくメールで書くとか、個別に場をつくるとか、なにかみせるとか。でも異文化を理解する気のない外国人ももちろんたくさんいるので、いくらがんばっても無駄だなというときもあります。そういうときは諦めて、時間をかけてその人を自分が教育してやってるんだくらいに思うようにしています(笑)(村井裕実子)
★時間が充分にある、あるいは話し相手の文化的バックグラウンド(出身地域の文化、母語の言語構造など)をある程度知識として知っている状況であれば、原因になっていそうな部分を考えて、そこをまず相手と話して相互の考え方、発想の元にあるところを明らかにします。それ以外の状況だと、その場はとりあえず流れに任せ乗り切り、その時持った違和感の正体を考えつつ次に活かします。(礒谷有亮)
★自分は完璧である必要はないのだと肩の力を抜くこと、自分のことを笑いのネタにできる心構え、責任は自分の外にあっていいときもあると理解する(「リスって単語の発音、難しくて永遠に習得は不可能!」(Tomoko)
★話す時間があるときはゆっくり説明しますが、時間がないとき&相手に聞く気がないときは諦めてしまう気がします。
★とにかく話をしてすり合わせるという感じでしょうか。難しいことを言うのではなく自分の言いたいポイントをまずはシンプルに。それから可能な限り肉付けしていくというような感じで。
★ケースバイケース
★自分がどういう背景からその考えに行き着いたのかを、できるだけ論理的に説明しようとします。自分自身のことでなくても、日本文化の典型的な例を出すことで背景を少し理解してもらえるかもしれません。
その度合いは、自分がその人とどれくらい親しくなりたいか(または仕事上どれほどの関りが必要か)によっても違ってきます。(梅田 麻友子)
★私自身はあまりそういう経験がありません。「伝えたいことが伝わらない」という人の「伝えたいこと」を紐解いていくと、「実は自分でも何が言いたいのかよくわかっていない」という場合があります。工夫という意味では、伝えたいことをできるだけ絞りこんで、シンプルにすることが大事かなと思います。(神谷えみ)
★1,妥協して言いたいことを厳選、2,もっと欲が出てきたら、言いたいことをフォーカスして、時間をゆっくりとって丁寧に説明する。どの程度相手に伝えたいかによります
★伝え方を変えます。ホワイトボードに書く。スライドもしくは表に整理する。視覚に訴えます。断然後者です 色々な方法があります詳しくは数時間後にセッションで(平松里英)
☆細かいことはあまり気にしないですが、大事なことは伝えます。
☆言い方を変えます。それか、自分達の身近な物を例に出して説明します。諦めるというのは、相手とコミュニケーションの意志が無いという意思表示になり失礼になるので、話し合いが重要なこちらの文化ではあり得ません。(水本 円)
6. 対面または電話で、初対面の人の英語が早くて聞き取りづらく、話すスピードを落としてもらいたい時、どういう風に言っていますか?
★Could you speak a little slower?(村井裕実子)
★ごまかさずに、もう少しゆっくり話してください、と率直に言います。あとは聞いた内容を自分の言葉で反復して確認を逐一行って誤解を最小限にとどめる。(礒谷有亮)
★Could you speak a bit slower?(会話の途中で聞き返したいときは、Actually, I missed the part xxxxx, can you repeat that again?)(Tomoko)
★聞き取れなかったことはもう一度お願いします、と聞くようにしています。電話で声が聞き取れない時も、電波が悪いようなので(本当の時もうその時もありです)大きな声でお願いします、と聞いています。
★”Excuse me, could you repeat that for me?” “Excuse me, but would you mind speaking a little slower?”
★素直にゆっくり喋って欲しいと尋ねる。聞き直す。
★Sorry, I’m not sure if I understand you correctly. Could you speak a bit slowly please?(梅田 麻友子)
★意外かもしれませんが、「話すスピードを落とす」というのは誰にでもできることではないので、そのリクエストを正しく発し、聞き取ってもらえたところで功を奏するとは限りません。また、聞き取りづらい理由は速度以外にもいろいろあります。まずはあなたが聞き取りづらいと感じる理由と改善策を確認して、それに合ったリクエストを発するようにするといいかなと思います。(神谷えみ)
★Sorry, honestly, I don’t get it. Can you speak it slowly?もしくはDo you mean ~?と細かく聞き返す
★正直に、すみません、ゆっくり話してもらえますか?と聞く。事ができたらいいなといつも思います。
★Could you slow up please. I cannot hear you very well because there is noise behind me.(平松里英)
☆電話では電波が悪いと伝えると、大抵ゆっくりはっきり繰り返してくれます。対面の場合はcan (could) you repeat it?を使うことがあります。
7. 日本帰国後、英語力を維持するために何をしていますか?生活、仕事ともに英語を使わない環境で、どうやって英語力を維持すればよいでしょう?
★環境が大きく違うのに「維持」しようと考えるのは苦しいと思います。そうではなく、「今の自分にとっての、英語を学ぶ新たな理由」をじっくり考えてみるといいかもしれません。また、英語を使った経験がある人ほど、「以前はもっとできたのに」「英語が下手になった」と感じやすいものです。ネガティブな自己評価にあまり翻弄されないようにしてくださいね。(神谷えみ)
★個人的には、リスニング力は急に落ちることはなくても、ライティング・スピーキングは使っていないと力が落ちるスピードが速いと感じています。せめてリスニング力が落ちないように、英語で映画やドラマを見たりラジオを聞いたりすることは日常的に取り入れる。スピーキングはどうしても相手ありきなので、話せる場を探すしかないと思います(都市部なら英語で行われている勉強会とか、地方であってもオンラインの英会話に参加するetc..)。
それが難しい場合は、話す機会はあまりなくてもドラマやTEDトークなどを見て、話し言葉のストックを貯めておくのも大事かなと感じます。(梅田 麻友子)
★ラジオを聴いたりシャドウイングをしています。話す力が一番落ちやすく使わないとすぐに英語で口が回らなくなるので、口の筋肉の維持は意識しています。(礒谷有亮)
★英語を使わない状況が長く続くと、維持するのには限界があります。こまめにメールするなど、使う必要性を維持するのが大事だと思います。あとは、日常で簡単にできること、podcast,映画など。
★コツコツと決まった時間に学習するようにしていました。習慣にすれば苦ではなかったです。
★できるだけ英語で話せる環境に身を置くのはどうでしょうか。
英会話に通ったり、異文化交流ができるイベントなどに足を運ぶなどできるかと思います。
★他の言語ならともかく、英語に関しては教材素材が一番揃っているので、そういう意味では難しくない。インプットとアウトプットのバランスに気をつけること(インプットばかり、アウトプットばかりにならないよう)インプットでもアウトプットでも質を追求することと、量を追求すること、その二つをどうやって自分なりに工夫するか。答えは人によって違うので、面倒でも、自分で自分および自分のライフスタイルや目標に合った方法を見つけるしかない。(平松里英)

 

イベントQ&A シリーズ
#1: 英語学習のコツ
#2: 日本と外国
#3: ライフスタイル
#4: 言語、教育

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